【リモ活と社会保険】扶養は外れる?加入条件と手続きまとめ

リモ活と社会保険の関係を理解しよう

リモ活を始めると気になるのが社会保険の問題です。「扶養から外れてしまうの?」「社会保険に加入する必要はある?」といった疑問を持つ方は多いでしょう。特に主婦の方や学生さんにとって、扶養の問題は家計に直結する重要な問題です。

今回は、リモ活と社会保険について詳しく解説します。ただし、社会保険制度は複雑で、個人の状況によって対応が異なる場合があります。この記事はあくまでも一般論としてお読みいただき、詳細については社会保険労務士や年金事務所などの専門機関にご相談することをおすすめします。

リモ活の働き方と社会保険の基本

▼リモ活は個人事業主扱い

まず理解しておくべきなのは、リモ活は基本的に「個人事業主」として扱われるということです。サイトや事務所と雇用契約を結ぶのではなく、業務委託契約を結ぶことがほとんどです。つまり、会社員やパート・アルバイトとは社会保険の扱いが異なります。

個人事業主の場合、会社の社会保険(健康保険・厚生年金)には加入できません。自分で国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。ただし、配偶者や親の扶養に入っている場合は、収入によって扶養から外れるかどうかが決まります。

▼扶養には2つの種類がある

扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があります。この2つは別々の制度なので、条件も異なります。混同しやすいので注意が必要です。

税法上の扶養は、配偶者控除や扶養控除に関わるもので、年収103万円(配偶者特別控除なら201万円まで)が基準になります。一方、社会保険上の扶養は、健康保険の被扶養者になれるかどうかの問題で、年収130万円が基準になります。

社会保険の扶養から外れる条件

▼年収130万円の壁

社会保険の扶養から外れる最も重要な基準が「年収130万円」です。リモ活での収入が年間130万円を超えると、配偶者や親の社会保険の扶養から外れることになります。月収でいうと約108,333円が目安です。

ただし、この130万円は「見込み年収」で判断されます。つまり、今後1年間で130万円を超える見込みがあれば、その時点で扶養から外れる必要があります。例えば、月収11万円を継続的に稼いでいる場合、年間では132万円になるので扶養から外れます。

▼収入の計算方法に注意

リモ活の収入を計算する際は、経費を引く前の総収入で判断されることが多いです。つまり、売上から経費を引いた所得ではなく、売上そのものが基準になります。これは税金の計算とは異なるので注意が必要です。

また、健康保険組合によって判断基準が異なる場合があります。配偶者が加入している健康保険組合に直接確認することをおすすめします。

▼3ヶ月連続で月収108,333円を超えたら要注意

多くの健康保険組合では、3ヶ月連続で月収108,333円を超えた場合、扶養から外れる手続きが必要になります。一時的に超えただけなら問題ありませんが、継続的に超える場合は注意が必要です。

リモ活は収入が不安定なので、月によって収入に差があることも多いでしょう。でも、平均して月10万円以上稼いでいる場合は、扶養から外れる可能性が高いと考えておいた方が良いです。

扶養から外れた場合の手続き

▼国民健康保険への加入

扶養から外れた場合、自分で国民健康保険に加入する必要があります。手続きは住んでいる市区町村の役所で行います。扶養から外れた日から14日以内に手続きをしなければなりません。

国民健康保険料は前年の所得によって決まります。リモ活を始めたばかりで前年の所得が少ない場合は、保険料も比較的安くなります。ただし、翌年以降はリモ活の収入に応じて保険料が上がる可能性があります。

▼国民年金への切り替え

配偶者の扶養に入っていた第3号被保険者の方は、扶養から外れると第1号被保険者として国民年金に加入する必要があります。月額約16,000円の保険料を自分で納めることになります。

手続きは市区町村の役所または年金事務所で行います。扶養から外れてから14日以内に手続きをしましょう。手続きが遅れると、遡って保険料を納めなければならない場合があります。

▼配偶者の会社への報告

扶養から外れる場合、配偶者の勤務先にも報告が必要です。会社によって手続き方法は異なりますが、一般的には「被扶養者異動届」を提出します。

報告が遅れると、後から医療費の返還を求められることもあります。リモ活の収入が安定して130万円を超えそうになったら、早めに配偶者に相談して手続きを進めましょう。

扶養内でリモ活を続けるコツ

▼月収を10万円以下に抑える

扶養内でリモ活を続けたい場合は、月収を10万円以下に抑えることをおすすめします。年間120万円なら、130万円の壁を超えることなく、ある程度の収入を得られます。

リモ活は歩合制なので、収入をコントロールしやすいのがメリットです。月の後半で収入が10万円に近づいたら、ログイン時間を減らすなどして調整できます。

▼収入の記録をきちんとつける

扶養内で活動するなら、収入の記録は必須です。日々の収入を記録し、月単位、年単位で管理しましょう。エクセルや家計簿アプリを使うと便利です。

特に年末が近づいたら、年間収入を計算して130万円を超えないように注意が必要です。12月に入ってから慌てても遅いので、11月頃から年間収入をチェックすることをおすすめします。

▼繁忙期と閑散期を活用する

リモ活には繁忙期と閑散期があります。年末年始やゴールデンウィーク、お盆などは稼ぎやすい時期です。逆に、年度末や年度初めは比較的稼ぎにくい時期です。

扶養内で活動する場合は、繁忙期でもセーブして、年間を通じて安定した収入を維持することが大切です。一時的に大きく稼いでも、年間130万円を超えてしまっては元も子もありません。

扶養を外れるメリット・デメリット

▼扶養を外れるメリット

扶養を外れる最大のメリットは、収入を気にせず思いきり稼げることです。月20万円、30万円と稼いでも問題ありません。リモ活で本格的に稼ぎたい方にとっては、扶養の枠に縛られないのは大きなメリットです。

また、自分で社会保険料を納めることで、将来の年金額が増えます。国民年金をきちんと納めれば、老後の生活資金の一部になります。

▼扶養を外れるデメリット

最大のデメリットは、社会保険料の負担が増えることです。国民健康保険料と国民年金保険料を合わせると、月3〜5万円程度の出費になります。年間では40〜60万円もの負担増です。

また、配偶者の会社から支給される扶養手当(家族手当)がなくなる場合もあります。会社によっては月1〜3万円の手当が支給されているので、これがなくなるのは痛手です。

▼損益分岐点を計算しよう

扶養を外れるかどうかは、損益分岐点を計算して判断しましょう。一般的に、年収160万円以上稼げるなら、扶養を外れても手取りが増えると言われています。

ただし、配偶者の扶養手当の金額や、住んでいる地域の国民健康保険料によって損益分岐点は変わります。自分の場合はどうなるか、具体的に計算してみることが大切です。

リモ活特有の注意点

▼確定申告との関係

リモ活の収入は確定申告が必要ですが、これと社会保険の扶養は別の話です。確定申告で経費を引いて所得を少なくしても、社会保険の扶養判定では総収入で見られることが多いので注意しましょう。

また、確定申告をすることで収入が明らかになり、扶養から外れなければならないことが発覚する場合もあります。正直に申告することが大切です。

▼複数サイトで活動する場合

複数のサイトでリモ活をしている場合は、全てのサイトの収入を合算して計算します。「A社では月5万円、B社では月6万円だから、どちらも130万円以下」という考え方は通用しません。

全ての収入を合わせて年間130万円を超えるかどうかで判断されます。複数サイトで活動する場合は、トータルの収入管理がより重要になります。

▼事務所所属の場合

まれに、事務所と雇用契約を結んでリモ活をする場合があります。この場合は、事務所の社会保険に加入できる可能性があります。週20時間以上、月収88,000円以上などの条件を満たせば、社会保険の加入対象になります。

ただし、ほとんどの事務所は業務委託契約なので、社会保険には加入できません。契約形態をしっかり確認することが大切です。

まとめ:自分に合った働き方を選ぼう

リモ活と社会保険の関係は複雑ですが、基本的なルールを理解すれば、自分に合った働き方を選べます。扶養内で月10万円以下に抑えて活動するか、扶養を外れて思いきり稼ぐか、それはあなたの状況と目標次第です。

扶養内で活動する場合は、月収を10万円以下に抑え、きちんと収入を記録することが大切です。一方、扶養を外れる場合は、社会保険料の負担を考慮して、年収160万円以上を目指すことをおすすめします。

リモ活は自由度の高い働き方ですが、社会保険については自己責任で管理する必要があります。分からないことがあれば、年金事務所や市区町村の窓口、社会保険労務士などの専門家に相談しましょう。正しい知識を持って、安心してリモ活に取り組んでください。